体毛の濃い人に起こる病気:毛巣洞
毛巣洞は毛髪と関連した慢性炎症性疾患で、肛門からお尻の割れ目の皮膚に起こりやすい病気です。肛門~お尻にかけて生えている毛が皮膚の中へ埋没し、皮膚に埋まった毛に細菌感染を起こすことで痛み・腫れ・硬結・排膿などの症状が現れます。見た目としてお尻の皮膚に凹みと、凹みから数cm離れた位置に瘻孔と呼ばれる穴が形成され、孔同士が皮膚の中でトンネル状に繋がっており内部から排膿が起こります。
毛巣洞の発生メカニズムは完全に解明されているわけではなく、男女ともに起こる病気ですが、一般的に体毛が濃くなる思春期~成人の男性に起こりやすく、毛量の多い人の方に良くみられること、瘻孔に毛が埋まっていることなどから、お尻の毛が座る等の日常生活で外力がかかり毛が皮膚に埋没して起こると考えられています。
毛巣洞の治療
毛巣洞は感染によるお尻の腫れ・赤み・痛みなどで病院を受診し、毛などが埋没した皮下膿瘍や皮下への瘻孔(洞)を認めて発見されることが多い疾患です。赤く腫れ上がった状態では縫合処置が再感染の原因となるため、対症両方として切開排膿を行い開放した状態で感染が落ち着くまで経過観察を行うことが一般的です。切開排膿で自然治癒する割合は50%程度と言われており、治癒しても基本的に目立つ傷跡が残ります。
切開排膿を行っても皮膚の凹みである瘻孔が残ることが多く、根治には瘻孔ごと皮膚切除を行う必要があります。根治術で切除した場合であっても単純に縫合して傷を閉じると再発率が20%近くと高くなるため、傷に隣接したお尻の皮膚・皮下組織を移動させて手術を行うことが多く、大きな傷となりますがこちらの方法であれば再発率は5%以下とされています。術後はお尻の縫合創への負担を避けるため、うつ伏せや横向きで生活を行う安静期間が必要となります。手術から完治まで平均約2ヵ月を要したと報告もあり、一度毛巣洞になると大掛かりな手術と長期の治療期間が必要となってしまいます。
再発予防に永久脱毛が有効とされており、術後創部が落ち着いた後に永久脱毛施術を推奨されています。この場合の永久脱毛であっても通常は保険適応にならず、永久脱毛を行っている美容クリニック等へ紹介されることが一般的です。
腰・お尻に毛が生えている方は要注意
毛巣洞は腰~お尻にかけて毛が生えている方に起こりやすい病気です。
職業によっては長時間座らなければならないものもあり、毛巣洞へ至るリスクが上昇するだけでなく、術後創部への負担を減らすことが難しくなります。
一度発症すると自然治癒することはなく、感染を繰り返してしまいます。根治には一般的に入院して手術が必要となり、大きな傷となってしまうことや完治まで長期間必要となるケースもあるため、体毛の濃い方・腰やお尻に毛が生えている方は特に注意が必要です。
まとめ
体毛が濃いことによって起こる毛巣洞という病気について解説しました。
体毛が濃くなる思春期以降の男性に起こりやすく、手術を行っても再発リスクがあるため永久脱毛や剃毛が推奨される疾患です。
手術の傷が大きくなりやすく、安静期間も長めであることも特徴的です。
ムダ毛が気にならない方であっても、腰やお尻に毛が生えている方は予防的に体幹部の永久脱毛を行うことをおすすめします。
毛巣洞の予防に興味がある方、術後の永久脱毛を勧められた方は是非PRO CLINICの永久脱毛をご検討ください。PRO CLINICは形成外科専門の医師が診察・施術を行っております。毛巣洞の手術経験のありますので安心してご相談ください。