
この記事の執筆者

(Nsたーなー)
秋田大学卒。大学病院で手術・麻酔・救急医療に従事した後、現在はプロクリニック所属。長年の経験と技術を活かし、「手術を通して患者様の美しさと健康を追求する」という信念のもと、日々全力で患者様と向き合う。
目次
【医学的解説】たばことEDの大きな原因です!―喫煙が男性機能を低下させる医学的理由を解説―
こんにちは。Nsたーなーです。今回もEDと生活習慣に関する記事をみなさまへお届けいたします。今回は「喫煙とED」についてです。当院は包茎治療やED治療を主として行っているクリニックですが、包茎のお悩みと同じくらいEDのお悩みも多いです。日々多くの方がご相談に来られますが、EDである方は生活習慣が乱れている方がとても多く、肥満や糖尿病と同じくらい喫煙もリスクが高い悪習慣になります。
「タバコを吸うとEDになりやすい」——この言葉を耳にしたことがある方は多いかもしれません。しかし、「何となく身体に悪いから」「血管が細くなるから」という漠然とした理解にとどまっているケースがほとんどです。
実際、喫煙は医学的に EDリスクを大幅に上昇させる“最大級の外的要因” であることが明確に証明されています。また、タバコが原因でEDが進行しても、生活習慣の中では自覚しにくく、気づいたときには勃起機能が大きく低下してしまっているケースも少なくありません。
本記事では、
✔なぜ喫煙がEDを引き起こすのか
✔どのくらいリスクが上がるのか
✔禁煙すると回復するのか
✔加熱式タバコや電子タバコでもEDになるのか
✔喫煙者がED治療する場合のポイント
を、当院長 柚崎医師監修の下で医学的に解説したいと思います。それでは今回もよろしくお願いいたします。
1、たばこはなぜEDを引き起こすのか
結論から言うと、喫煙によって起こる「血管障害」と「神経障害」が、EDの主要メカニズムです。
① 血管内皮機能の障害(NO産生低下)
勃起に最も重要なのは、末梢血管が拡張し、陰茎海綿体へ血液が流れ込むことです。
この血流を調節しているのが血管内皮細胞から分泌される 一酸化窒素(NO) になります。
しかし、たばこの煙に含まれる
●ニコチン
●一酸化炭素(CO)
●タール
●活性酸素
などが血管内皮細胞を傷つけ、NOの産生を大幅に低下させてしまうことが知られています。
NOが減る → 血管が広がらない → 陰茎海綿体に血流が届かない → 勃起不全
という流れが起こり、勃起しにくくなります。
② 動脈硬化の加速
喫煙はLDL(悪玉コレステロール)を酸化させ、動脈硬化を急激に進行させます。
特に 陰茎動脈は直径1~2mmと非常に細いため、心臓より先に症状が出るのが特徴です。
✔勃起しにくい
✔中折れしやすい
✔硬さが保てない
これらは早期動脈硬化のサインとも言えますし、身体が発する血管の叫びです。
③ 末梢神経への悪影響
喫煙によって酸素供給量が低下し、末梢神経が障害されてしまうことがあります。
性的刺激が脳から陰茎へ届きにくくなるため、勃起が遅く、弱くなりがちに。
④ 男性ホルモン(テストステロン)の低下
喫煙は精巣の血流を悪化させ、テストステロン値を低下させます。
●性欲の低下
●朝立ちの減少
●疲れやすさ
●意欲の低下 など
男性ホルモン減少によって起こる「性欲+勃起力」の両面で悪影響が重なることで、EDを強く進行させてしまいます。
2、喫煙者はEDリスクがどれくらい高いのか?
多数の研究で以下のようなデータが出ています。
■ 喫煙者は非喫煙者に比べてEDリスクが約1.5~2倍
特にヘビースモーカーほどリスクは跳ね上がります。
■ 20〜40代でも「喫煙者のED率は2倍近い」
若年層はEDの原因をストレスや精神的要因だと思いがちですが、実は喫煙の影響が大きいことが多いです。
■ 1日の喫煙本数・年数とともにEDリスクは直線的に増加
いわゆる「喫煙指数」が高いほど、血管障害が進行します。EDのみならず、肺がんのリスクも高まるので注意です。
3、禁煙するとEDは改善するのか?
結論:改善するケースが多い! ただし時間がかかることも多い!
■ 可逆性のある段階なら改善しやすい
血管内皮機能は禁煙後、数週間〜数ヶ月ほどで回復が始まります。
●朝立ちが戻る
●勃起の“立ち上がり”が良くなる
●硬さが改善する
という変化が現れやすく、手軽に効果を実感しやすい。
■ 動脈硬化が強い場合は回復が限定的なことも
長年の喫煙で血管が硬く狭くなっている場合、禁煙だけで完全に戻ることは困難です。
この場合は「ED治療薬(シアリス・バイアグラ等)+生活改善」を組み合わせるのが効果的です。
4、加熱式タバコ(IQOS等)・電子タバコでもEDになるのか?
結論:なります。喫煙より軽度とは言い切れず、医学的にはリスクあり。
■ 加熱式タバコ(IQOS等)
●タールは少ないが、ニコチンはしっかり含む
●血管収縮作用は紙巻きと同等
●NO産生低下は確認されている
→ EDリスクは「紙巻きより少し低い」程度です。
■ 電子タバコ(VAPE等)
●ニコチン入りは明確に血管収縮
●ニコチンなしでも炎症性ストレスが発生
→ 安全とは言えない。
「加熱式に変えたから大丈夫」という考えは医学的には誤りです。EDだけでなく呼吸器疾患の原因にもなります。
5、喫煙による“隠れEDサイン”
喫煙が原因のEDでは、次のようなパターンが多く見られます。
✓ 勃起の硬さが落ちてきた
✓ 中折れしやすくなった
✓ 朝立ちの回数が減った
✓ 酒+タバコの日は勃ちにくい
✓ 若いのに性欲が低下
✓ 勃起の持続時間が短い
✓ なんとなく意欲が湧かない
これらはすべて、血管内皮の障害が進んでいるサインかもしれません。
6、喫煙者がED治療を行うときのポイント
喫煙者の場合、ED治療で重要なのは以下の3点です。
① 禁煙とED治療薬を同時に行うと効果が高い
NOの働きを助けるED薬(バイアグラ・レビトラ・シアリス)は、血管内皮機能の回復と相乗効果があるとされています。
② 30代・40代は「早めの治療」が肝心
喫煙歴が長いほど血管障害が進むため、EDが発覚したタイミング=治療開始の最適点 です。
③ 生活習慣の改善でも大きく変わる
●喫煙を減らす or 禁煙
●軽い運動
●睡眠の改善
●減量
●アルコールを控える or 禁酒
これだけで勃起の“ベース機能”が上がるケースは多いです。
7、喫煙とEDは「男性の老化の早期サイン」
EDは、 全身の血管トラブルの最も早いシグナル と言われています。
心筋梗塞や脳梗塞の数年前からED症状が出ることが多く、
「EDは血管の健康度を測るバロメーター」とすら言われるほどです。
つまり、喫煙者のEDは健康の問題の“入口”である可能性もあるということです。
8、喫煙が原因のEDは“治せます!”
最後に結論をまとめます。
✔タバコは科学的にEDリスクを上げる
血管障害・神経障害・ホルモン低下の三重苦。
✔加熱式・電子タバコでもEDリスクはある
「紙巻きより安全」は医学的には誤り。
✔禁煙すれば改善することが多い
血管内皮機能は数週間から回復し始める。
✔EDは早期治療が最も改善しやすい
喫煙歴が長いほど進行しやすいため、早めの対策が重要。
■ まとめ
タバコとEDの関係は決して“迷信”ではありません。
むしろ医学研究ではっきり証明されており、喫煙は男性の勃起機能にとって最も大きな外的ダメージのひとつです。
「最近勃ちが弱い気がする」
「中折れしやすくなった」
「朝立ちが減った」
「性行為でも勃たない、射精できない」など
こうした変化が少しでもある場合、喫煙者ならなおさら、「血管のSOSの可能性」が高いと考えるべきです。
EDは放置すれば進行しますが、早期治療で十分改善が期待できる疾患です。
喫煙歴のある方、長年タバコを吸ってきた方こそ、一度専門医にご相談することをおすすめします。
当院では、喫煙が原因によって起こるEDに対しても内服・注射治療を行っています。
また、糖尿病があったり、重度の包茎が背景にあることも多いので詳しく診察で診てもらえればと思います。
喫煙は万病の元です。禁煙することでがんや脳卒中、心臓病、認知症などの疾患を予防したり、性機能を回復させることが可能です。
お悩みの方はお気軽に当院へご相談ください。皆さんのEDが改善するためのアプローチをご提案させていただきます。
本日は以上です。
当院の包茎治療の症例はこちら
生活習慣・糖尿病とEDの記事はこちら
ED治療注射の詳細はこちら
では、本日は以上となります。最後までお読みいただきありがとうございました。
この記事の監修医師

(プロクリニック銀座院長)
慶應義塾大学医学部卒 / 日本形成外科学会認定 形成外科専門医 / 日本美容外科学会(JSAPS)正会員 / JSAN設立者・理事
当院は大手包茎クリニックに負けない技術力と
傷跡のスペシャリストが在籍しており、当院は
形成外科専門医 柚﨑医師の下日々努力を重ね、
尽力し患者様に安心して手術を受けられるようにしております。
また、形成外科専門医は傷跡のスペシャリストです。
包茎治療や傷跡等でお悩みの方は、プロクリニックまで!
何か不安や質問がある方は LINE 追加から「ぷろたんに相談する」でご相談ください。
↓ ご予約・無料カウンセリングはこちら ↓ 













