
この記事の執筆者

(Nsたーなー)
秋田大学卒。大学病院で手術・麻酔・救急医療に従事した後、現在はプロクリニック所属。長年の経験と技術を活かし、「手術を通して患者様の美しさと健康を追求する」という信念のもと、日々全力で患者様と向き合う。
目次
【HPVと包茎について徹底解説!】ー予防することで自分の健康とパートナーを守りましょうー
こんにちは。Nsたーなーです。今回は包茎とHPVの関係について徹底解説していきます。最近テレビやCMでも「HPV」について理解を深めるような啓発を度々目にしますよね。HPVは男女に関わる問題ですが、子宮頸がんウイルスと聞くと、女性だけのものかと思いがちです。しかし、実はHPVは男女双方に深く関わる病原体なのです。また、女性は男性から子宮頸がんウイルスが伝染することも重要なポイントです。それでは形成外科専門医 柚﨑院長の監修の下で詳しく解説していきます。
1、はじめに
ヒトパピローマウイルス(以下HPV:Human PapillomaVirus)は、性感染症の中でも最も一般的なウイルスの一つであり、子宮頸がんの主要な原因として知られています。日本でも毎年約1万人が子宮頸がんを発症し、約3000人が命を落としていると言われています。その背景には「HPV感染」が深く関係しており、感染予防策として公衆衛生の観点ではワクチン接種が推奨されています。
HPVは性交渉によって感染することが多く、男女問わず誰でも感染する可能性があるウイルスです。その中で、近年特に注目されているのが 「男性の包茎とHPV感染リスクの高さ」 という点です。海外の研究でも「包茎男性はHPVへの感染率が高い」「パートナーへのHPV感染リスクが上昇する」と報告されており、包茎が間接的に女性の子宮頸がん発症リスクを高める可能性が指摘されています。
では、なぜ包茎だとHPVが感染しやすくなるのでしょうか。そのメカニズムを丁寧に解説しながら、最終的に包茎治療が果たし得る役割について触れていきます。
■ 包茎とHPV感染リスクが関連する理由
① 包皮内の湿潤環境がウイルス増殖を助ける
包茎の状態は、亀頭と包皮の間に湿気がこもって、絶好の細菌増殖環境となります。恥垢が溜まりやすく、それ自体は無害ですが、「HPVの付着・増殖を助ける可能性がある」と指摘されています。湿潤環境はウイルスの滞在時間を長くし、HPVが男女問わず感染しやすい状況を作ります。
② 亀頭・包皮の皮膚がデリケートで傷つきやすい
包茎の方は、摩擦によって包皮が損傷しやすく、目に見えない細かい傷がつきやすい傾向があります。元々包皮炎があり慢性的な傷がある方は尚更です。
ウイルスは皮膚の微小なキズから入り込むため、「皮膚バリアが弱い → HPV感染しやすい」という構図が成立します。
③ 包皮の中でウイルスが残存しやすい
HPVは皮膚に付着しても自覚症状がほとんどありません。
包茎の場合、包皮の内側にウイルスが残存しやすいという報告が海外でも見られます。
清潔にしていても、構造的に完全には洗いづらいため、感染リスクがゼロにはなりません。
④ 性交時にパートナーへ伝播しやすい最も重要なポイントですが、男性がHPVに感染していると、性交時に女性へ感染する可能性が高まります。HPVは男女間で伝播する代表的なウイルスなのです。
特に包茎の場合、ウイルスが包皮内に残り続けるため、 パートナーのHPV感染 → 子Q頸がんのリスク上昇 という流れにつながります。 HPVは男女が共に理解し、予防すべき問題であり、夫婦・パートナー間でウイルスが“行き来”するケースも十分可能性としては高いです
■ 外国では「包茎治療がHPV感染リスクを下げる」と報告されている
欧米やアフリカ地域では、包茎治療が
「HIVやHPVの感染リスクを低減する」
という研究結果が多数報告されています。
特にHPVについては:
①包茎男性はHPV感染率が高い
②包茎手術後、HPV感染率が優位に下がる
③パートナー女性のハイリスクHPV感染が減る(HPVは男女間で伝播するため)
といったデータが示されています。
もちろん、包茎手術は「感染予防のために必須」というものではありませんが、
構造上のリスクを減らすという意味で一定の効果がある とされています。
■ 日本の現状:男性HPVワクチンは普及していない
女性は小学校6年生〜高校1年生相当でHPVワクチン接種が推奨され、現在は公費で受けられます。
しかし、男性への接種は任意であり、
公費負担なし
医療機関によっては扱っていない
という事情があります。
海外では男女ともにワクチン接種を進める国が増えているのに対し、
日本は男性のみ接種率が極めて低い のが現状です。
HPVは男女双方の問題であるにもかかわらず、男性側は現実的に「HPV感染を完全には防ぎきれない」状況にあります。
2、包茎とHPV(ヒトパピローマウイルス)の関係―男性から女性への感染リスクと、包茎治療が持つ予防的意義について

HPVは男女ともに感染するウイルスですが、女性の子宮頸がんの原因として広く知られる一方で、実は近年は男性の咽頭がん(特に中咽頭がん) の大きな要因となることが世界的に問題視されています。 日本でもHPV関連中咽頭がんは年々増加しており、特に40〜60代の男性で上昇傾向が顕著です。 一方で、HPVは男女共通の病気であるにもかかわらず、「HPV=女性の病気」という誤解はいまだ根強く、 “男性にとっても重大なリスクである” という事実はあまり知られていません。 ここでは、HPVが男女(特に男性)に及ぼす咽頭がんのリスクについて、そしてなぜこれほど増えているのかを丁寧に解説します。
■ HPVが中咽頭がんを引き起こすメカニズム
中咽頭とは、のどの奥(扁桃・舌根部)にあたる部分で、HPVは主に 粘膜接触によって感染します。
具体的には以下の経路が一般的です:
性行為(特にクンニ・フェラ等のオーラルセックス)
ウイルスを含んだ粘膜の直接接触
皮膚・粘膜の微細な傷口からの侵入
HPVの中でも 高リスク型(HPV16型など) が、細胞の遺伝子変異を引き起こし、ゆっくりと癌化へ進んでいきます。
咽頭がんの多くは喫煙や飲酒が原因とされてきましたが、現在はそれ以上に HPV感染が発生の主要因 と言われています。
■ なぜ男性に多いのか?
HPV関連中咽頭がんは、なぜ女性より男性に多いのでしょうか?
その理由はいくつか考えられています。
① 男性はHPV感染が長期化しやすい
→男性は女性よりもウイルスの排出が遅く、“持続感染しやすい”=がん化につながりやすい という研究結果があります。
② オーラルセックスの普及
欧米と同様、日本でも性的行動の多様性が進んでおり、オーラルセックスを介した咽頭部の感染が増加しています。
③ ワクチン接種率の差女性は定期接種があるため、ある程度予防できますが、男性はワクチンの普及が極めて遅いのが現状です。この結果、男性の中咽頭がんは年々増加し、アメリカではすでに「HPVが原因の咽頭がんが、子宮頸がんより多い」状態の地域もあるようです。
3、男性のHPV感染は「咽頭がん」にも関係する―急増する“中咽頭がん”と男性が知るべきリスク

HPV由来の咽頭がんは、従来の喫煙が由来のものとは性質が異なります。
● 比較的若い世代に発生しやすい
40〜60代の男性に多く、飲酒・喫煙歴がほとんどない方でも発症します。
● 発症に気づきにくい
初期症状は軽微で、
・のどの違和感
・痛み
・しこり
などが数か月以上続くケースが少なくありません。実際には風邪の症状と被る部分もあり、癌が進行しやすいです。
● 進行すると重大な症状へ
進行すると、
・咽頭、頚部の痛み
・嚥下障害
・首のリンパ節の腫れ
などが現れ、治療は長期に及びます。進行した咽頭癌では喉の大部分を切除し、他の身体の部位から血管や筋肉を移植する大規模な再建術が行われることもあり、声が出せなくなったり、定期的な痰の吸引が必要になるような大きな後遺症を負うこともあります。
■ 男性側の「HPV対策」が日本ではまだ十分ではない
世界的には、男女ともにHPVワクチン接種が推奨されていますが、日本では男性への公費助成はなく、接種率も低いままです。そのため、多くの男性がHPV感染のリスクを自覚しないまま生活していることが現実です。
性感染症としてのHPV対策としてはワクチンが最も効果的ですが、現状の日本では「誰でも簡単に受けられる」という環境ではありません。
4、男性自身が取れるリスク低減策のひとつが「包茎治療」
HPVは性器だけでなく咽頭にも感染しますが、男性側の生殖器にウイルスが残存しやすい状態だと、性交渉のたびにパートナーの粘膜へウイルスを伝播する可能性が高まります。
包茎の場合、
・包皮内に湿気と恥垢が溜まりやすい
・ウイルスが付着・残存しやすい
・皮膚が弱くキズができ、感染の入口が多い
という状況が重なり、HPVの保持・再感染のリスクが上がります。
海外研究では、
包茎治療を行った男性の方ではHPV感染率が低い
という報告も複数出ています。
つまり、ワクチンが普及していない状況において、
男性自身がHPVリスクを下げるための現実的な手段のひとつが「包茎治療」という選択肢 といえます。
4、HPV関連中咽頭がんの特徴

HPV由来の咽頭がんは、従来の喫煙が由来のものとは性質が異なります。
● 比較的若い世代に発生しやすい
40〜60代の男性に多く、飲酒・喫煙歴がほとんどない方でも発症します。
● 発症に気づきにくい
初期症状は軽微で、
・のどの違和感
・痛み
・しこり
などが数か月以上続くケースが少なくありません。実際には風邪の症状と被る部分もあり、癌が進行しやすいです。
● 進行すると重大な症状へ
進行すると、
・咽頭、頚部の痛み
・嚥下障害
・首のリンパ節の腫れ
などが現れ、治療は長期に及びます。進行した咽頭癌では喉の大部分を切除し、他の身体の部位から血管や筋肉を移植する大規模な再建術が行われることもあり、声が出せなくなったり、定期的な痰の吸引が必要になるような大きな後遺症を負うこともあります。
■ 男性側の「HPV対策」が日本ではまだ十分ではない
世界的には、男女ともにHPVワクチン接種が推奨されていますが、日本では男性への公費助成はなく、接種率も低いままです。そのため、多くの男性がHPV感染のリスクを自覚しないまま生活していることが現実です。性感染症としてのHPV対策としてはワクチンが最も効果的ですが、現状の日本では「誰でも簡単に受けられる」という環境ではありません。
5、男性自身が取れるリスク低減策のひとつが「包茎治療」

HPVは性器だけでなく咽頭にも感染しますが、男性側の生殖器にウイルスが残存しやすい状態だと、性交渉のたびにパートナーの粘膜へウイルスを伝播する可能性が高まります。
包茎の場合、
・包皮内に湿気と恥垢が溜まりやすい
・ウイルスが付着・残存しやすい
・皮膚が弱くキズができ、感染の入口が多い
という状況が重なり、HPVの保持・再感染のリスクが上がります。
海外研究では、
包茎治療を行った男性の方ではHPV感染率が低い
という報告も複数出ています。
つまり、ワクチンが普及していない状況において、男性自身がHPVリスクを下げるための現実的な手段のひとつが「包茎治療」という選択肢 といえます。
6、まとめ:HPVは男性にとっても“他人事ではない”
。HPVは子宮頸がんの原因というイメージが強いですが、現代では 男性の咽頭がんの主要因 となりつつあります。HPVは男女ともに深刻な影響を与えうるのです。そして、日本では男性のワクチン接種がまだ普及しておらず、自衛手段が限られているのが実情です。このため、
・パートナーへの感染配慮
・自身のがんリスクの低減
・生殖器の衛生管理の向上
といった観点から、包茎治療を選ぶ男性が増えています。
HPVに関する知識を持ち、自分と大切な人を守るための一つの手段として、包茎治療を検討することは決して不自然な選択ではありません。
■ だからこそ、包茎治療が“現実的なHPV対策の一つ”になる
もちろん、包茎治療はHPV感染を完全に防ぐものではありません。
しかし以下のように、リスクを下げる可能性を持つ“現実的な手段”であることは確かです。
・亀頭を露出させることで衛生管理がしやすくなる
・ ウイルスや汚れの滞留を減らせる
・ 皮膚の傷つきやすさを改善し、感染しにくい状態に
・ パートナーへのHPV伝播リスク低減につながる可能性
さらに、包茎が改善することで
・ニオイ・痒み・恥垢
・勃起時の締め付け
・性行為時の痛み
・見た目のコンプレックス
なども解消され、身体的にも心理的にもメリットがあります。
■ 「男性の予防接種が普及していない今」包茎治療が選択肢になり得る
もし日本でも、海外のように男性HPVワクチンが一般に普及していれば、
感染リスクを大きく下げることが可能になります。
しかし現状では、
・男性へのワクチン普及が進んでいない
・成人男性では接種機会が乏しい
という問題があり、感染予防は自己努力に委ねられています。
その中で、「自分自身とパートナーの健康を考えて包茎治療を選ぶ男性が増えている」という傾向があります。
衛生面・機能面・見た目の改善に加えて、HPV感染リスクを減らす可能性がある“予防的メリット” を期待できる点も、包茎治療が注目される理由の一つです。
しかし現時点では、男性側が主体的にリスクを減らす行動を取ることが重要 となります。その中で、包茎治療はリスクを一度に低下させる方法として、多くの男性が選択となりうるでしょう。
HPVや包茎に関する不安を抱えている方は、ぜひ一度ご相談ください。形成外科医が医学的な視点から、あなたに合った治療方法をご提案し、健康面・機能面・審美面の全てで安心できる状態へサポートいたします。ご自身と大切なパートナーの健康と明るい未来のために真剣に考えてみてはいかがでしょうか?
では、本日は以上となります。最後までお読みいただきありがとうございました。
この記事の監修医師

(プロクリニック銀座院長)
慶應義塾大学医学部卒 / 日本形成外科学会認定 形成外科専門医 / 日本美容外科学会(JSAPS)正会員 / JSAN設立者・理事
当院は大手包茎クリニックに負けない技術力と
傷跡のスペシャリストが在籍しており、当院は
形成外科専門医 柚﨑医師の下日々努力を重ね、
尽力し患者様に安心して手術を受けられるようにしております。
また、形成外科専門医は傷跡のスペシャリストです。
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