
この記事の執筆者

(Nsたーなー)
秋田大学卒。大学病院で手術・麻酔・救急医療に従事した後、現在はプロクリニック所属。長年の経験と技術を活かし、「手術を通して患者様の美しさと健康を追求する」という信念のもと、日々全力で患者様と向き合う。
目次
【医学的警鐘】非吸収性フィラー材(アクアミド・アクアフィリング・リ◯ス・ラ◯コル等)の特徴と、美容外科での危険性を徹底解説
こんにちは。Nsたーなーです。ご存知の通り、美容医療において「フィラー材(主にヒアルロン酸)注入」は手軽さ・ダウンタイムの短さから人気の高い施術の一つで、幅広い年齢層に対して行われております。美容医療が一般的になる前より、ヒアルロン酸に加えて“長期間持続する”と宣伝される「非吸収性フィラー(永久フィラー)」が、多くの美容外科や男性器・女性器美容クリニックで使用されることがあります。
しかし、非吸収性フィラーは 吸収されないことを謳われて一見コストパフォーマンスに優れていると思われがちですが、「消えない」=「安全」ではありません。むしろ、吸収されない構造のために、一度トラブルが生じると経験豊富な医師でも修正が困難で、重篤な合併症に発展しやすいという重大な問題を抱えています。事実、シリコンバッグ豊胸が以前より行われてきましたが、近年になって上皮がんのリスクが高まることで海外では禁止になるところもあると言ったリスクが最近になって知られてきました。これら体内へ移植される(インプラント)は、基本的に異物なので身体との相性もありますが、時には移植された身体に対して害を成すこともあります。本記事では、アクアミド、アクアフィリング、リ◯ス系、ラ◯コル系といった“吸収されない注入材”の特徴を徹底的に解説し、美容外科施術における危険性と、なぜ世界的に使用が制限・中止されつつあるのかを解説していきます。
1、はじめに
非吸収性フィラー材(永久フィラー材)は、体内で分解されず、何年も、あるいは半永久的に組織内に留まり続ける注入材の総称をいいます。主な素材は以下のようなものがあります。
・ポリアクリルアミド系(アクアミドなど)
・架橋ポリマー + 生理食塩水系(アクアフィリングなど)
・糖類ポリマー系(デキストラン系)(リ◯ス系、ラ◯コル系など)
・シリコン系ジェル(現在は多くの国で美容用途禁止)これらは「持続期間の長さ」を最大のメリットとしてアピールされていますが、医学的には高いリスクを抱える素材であり、採用が推奨されない場合が多いのが現状です。
2、非吸収性フィラーが美容医療で使われてきた背景
一部の美容外科で使用される理由は、以下のような患者ニーズが存在するからです。
「長期間持続するボリュームアップが欲しい」
「何度も注入に通うのが面倒」
「手軽に大きく変化させたい(バスト・ヒップ・顔・陰茎・亀頭など)」
「手術よりも負担が少ない手軽な“注射だけの治療”を希望したい」 などしかし、「手軽に見える」点こそが最大の落とし穴であり、吸収されにくいが故の長期的リスクが意外と知られていません。次項では詳しい特徴について解説していきます。
3、非吸収性フィラーの特徴(メリットとされる点)
① 長期間残る(数年〜半永久的)
最も宣伝される特徴になります。個人差はありますが、ヒアルロン酸と比べると相当年数の残存が期待できます。
② 1回の注入で大きく変化を出せる
バスト100〜300cc、陰茎・亀頭5〜10ccなど、ヒアルロン酸より大量に注入されるケースがある。ヒアルロン酸と比べると硬い性状なのでボリュームアップを実感できやすい。
③ 吸収されないため、持続性でコストメリットがあるように見える
“初期コストだけ”で満足度が続くようにアピールされやすい。
しかし、これら3つのメリットは、実はそのままリスクにも直結します。
4、非吸収性フィラーの重大なデメリット(医学的リスク)
① トラブルが起きると除去が極めて困難
非吸収性フィラーは組織と癒着し、時間が経つほど周囲の細胞が入り込み、全ての除去がほぼ不可能になります。
炎症が起こると以下の問題が生じる場合があります:
・完全に取り切れない
・取り除こうとすると正常組織まで切除する必要がある
・傷跡/変形が残る
・脂肪/皮膚の感染あるいは壊死を起こすことがある
特に陰茎・亀頭、顔の涙袋・鼻・口周りなどは血流が複雑で、感染/壊死リスクが高い部位です。また、乳房に入っている場合に遅発性の感染が起こり縦隔炎になる可能性も。
② 遅発性アレルギー・炎症・しこり化(数年後に突然起こる)
非吸収性フィラーで最も問題となるのが【遅発性炎症】の発生です。
注入直後は問題は見られないが、
数ヶ月〜数年後に突然、赤み・腫れ・痛み
硬いしこり(肉芽腫)が形成される
感染(炎症性膿瘍)を繰り返す
抗生剤が効かないことが多い
肉芽腫は外科手術でも完全に除去できない場合があります。
③ 感染した場合、フィラー周囲に細菌バイオフィルムが形成され治療が困難
アクアミド・アクアフィリングなどの注入材では、バイオフィルム感染が多く報告されています。
通常の抗生剤が効きにくい
慢性的に腫れ・しこりが続く
破裂・排膿を繰り返す
周囲組織が損傷(壊死)する
最終的には、大きく切開して除去を試みる等の選択肢になってきます。
『他院によるアクアミド注入による豊胸術後での遅発性感染症例』

この写真のように、アクアミド等の遅発性感染が原因で後に行った脂肪注入が破綻したり、重篤な感染症で生命に関わる危険もあります。
④ 注入した形が長期間“ずっと残る”ため、劣化すると見た目の異常が顕著
人体は加齢とともに変化しますが、フィラーはそのままの形で残り続けます。
たるみが出てもフィラーだけは残る
皮膚の薄い部分で“袋状”“塊状”になる
不自然な段差・変形が出る
注入部位が移動し、別の部位にしこりとして現れる
特に鼻・涙袋・亀頭(陰茎)部位で問題になりやすいです。
⑤ 男性器や女性器へ注入した場合の特殊リスク
男性器(陰茎・亀頭)、女性器(大陰唇など)に使用されるケースもありますが、ここは特にリスクが高い部位です。
血管が細かく、壊死リスクが高い
食い込み、変形、彎曲
性交痛や感覚の異常
排尿障害
デコボコ・硬結
修正手術の際に神経損傷の危険長期的に大きな後遺症を残すことがあります。
→リ◯スやラ◯コル注入後で歪な見た目の修正も時折依頼があります。

5、なぜ世界では使用が規制され、日本でも問題視され始めているのか?
・欧州ではアクアミドが販売中止なところも
→重篤な炎症・肉芽腫形成・感染再発の報告が増え、複数国で使用中止された経緯。米国FDAでも豊胸術での使用を認めていない例も。
・韓国ではアクアフィリングが社会問題化
→豊胸・陰部形成での大規模トラブルにより、訴訟・行政指導が続出された。
・日本でも美容外科学会が複数の警告を発表
→非吸収性フィラー全般について、複数の学会が「安全性に十分なエビデンスがない」 として、実施するべきではないと明言している。これらは、個別商品ではなく “非吸収性フィラーというカテゴリー全体” に潜む構造的リスクを示しています。
6、非吸収性フィラーが「永久」ではなく「永久リスク」である理由
非吸収性フィラーの最大の問題は、
・トラブルが起きたら一生ついて回る可能性がある
・ 取り除けないため、炎症や硬結が慢性的に続くことがある
・ “その時の美容トレンド”を永遠に背負うことになる
という点です。“残る注入材”は、流行が変わっても、加齢で形が変わっても、皮膚だけ老化してフィラーが浮き上がるという現象を避けられません。
つまり形が永久だったとしても、私たちの心や身体は永久ではないのです。
7、代替として推奨される安全性の高い選択肢
① ヒアルロン酸(吸収性フィラー)
安全性が高く、場所を問わず様々な領域で使用されている
トラブル時はヒアルロニダーゼで溶解できる場合が多い
世界的に美容医療の標準となっている
② 自家脂肪注入
自分の組織のためアレルギーが少なく、ヒアルロン酸に比べると1ccあたりのコストも低い
徐々に吸収されるが、ある程度定着することが多い
大量注入が必要な部位に向く(額・豊胸・亀頭など)
③ 手術(プロテーゼなど)
注入以外の選択肢として検討すべき挿入物。
8、結論:非吸収性フィラーの使用は後悔が勝る可能性
非吸収性フィラーは、
・消えない
・修正できない
・トラブルが隠れながら進行する
・何年後に問題が出ても除去困難
という構造的な欠点を抱えています。
【最後に一言】非吸収性フィラーの使用は「短期の満足」より「長期の後悔」が圧倒的に多い
実際、トラブル患者の多くは「当時は簡単な治療だと思っていた」「広告では安全と書いてあった」「永久だから害がないものと思っていた」という後悔を口にします。
美容医療は身体に直接影響する医療行為であり、
“永続性”という甘い響きの裏側には、必ず重いリスクがある
という事実を忘れてはいけません。永久フィラーかそれ以外か迷っている方は今回の記事をご参考にしていただけますと幸いです。
では、本日は以上となります。最後までお読みいただきありがとうございました。
この記事の監修医師

(プロクリニック銀座院長)
慶應義塾大学医学部卒 / 日本形成外科学会認定 形成外科専門医 / 日本美容外科学会(JSAPS)正会員 / JSAN設立者・理事
当院は大手包茎クリニックに負けない技術力と
傷跡のスペシャリストが在籍しており、当院は
形成外科専門医 柚﨑医師の下日々努力を重ね、
尽力し患者様に安心して手術を受けられるようにしております。
また、形成外科専門医は傷跡のスペシャリストです。
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