真性包茎とは
真性包茎とは、亀頭が包皮で覆われていて包皮を翻転して亀頭を全て露出できない状態を指します。男性は、産まれた時点ではほぼ 100 % が包皮と亀頭が癒着しているため元々は真性包茎です。第二次性徴時の男性ホルモン分泌により、男性器の発達とともに包皮が軟化し、16 – 17 歳までに 95 % 以上が真性包茎ではなくなるとされています。しかし、ごく少数の割合で包皮の軟化・発達が不十分となることがあり、成人後も癒着していることや包皮輪が広がりにいため包皮を翻転して亀頭を全て露出できない場合は真性包茎と分類されます。
一般的に男性器の成長過程で真性包茎から仮性包茎や露茎へと至りますが、後天的に仮性包茎から真性包茎へ悪化してしまう例が報告されています。このページでは、後天的真性包茎へ至る原因とリスクについて解説いたします。
仮性包茎から真性包茎に悪化!?
後天的真性包茎
仮性包茎だった方が成人後、亀頭と包皮が癒着し後天的に真性包茎となった例は古くから報告されています。後天的な癒着の最も多い原因は包皮炎とされています。包皮炎は亀頭と包皮の間で細菌が繁殖し感染を起こすために起こる炎症で、包皮内を清潔に保てない方や免疫力が低下している方によく起こります。また、性感染症としてカビの一種である陰茎カンジダ症・カンジダ包皮炎があり、亀頭や包皮内の赤み・痒み・白苔の増加はカンジダに感染している可能性があります。長期間炎症が持続したり、繰り返し炎症を起こすと本来分かれていた組織が癒着してしまうことがあります。細菌やカビによる包皮炎は比較的多く見られる感染症であるため、仮性包茎の方は特に注意が必要です。また、包皮を傷つけた際などにも炎症が起こるため、包皮炎でなくても裂傷など小さな傷を繰り返している場合にも癒着の原因となるため注意が必要となります。
仮性包茎は一般的に排泄器・生殖器の機能面で問題になることは多くありませんが、基礎疾患や衛生面で清潔に保ちづらく包皮炎を繰り返してしまうこともあり、そのような方は積極的な手術が推奨されます。
後天的真性包茎になりやすい方
前述したように後天的真性包茎の原因は包皮炎が最多です。種類によらず包茎は包皮炎のリスクとなりますが、その他にも包皮炎を起こしやすい原因があります。代表例として糖尿病が挙げられます。糖尿病は免疫機能の低下や血行不良などを引き起こし、傷が治りにくく感染症になりやすい身体になります。また、血糖値が高いと本来は尿から排泄されることのない糖が、尿糖として排泄されるようになると尿路感染症や包皮炎のリスクが増大することが報告されています。糖尿病治療薬である SGLT2 阻害薬は、尿中に糖を出すことで血糖値を下げる治療薬であるため、SGLT2 阻害薬で治療されている方は血糖値のコントロールが良好であっても尿路感染症や包皮炎を起こしやすい状態となるため注意が必要です。
その他のリスク因子として、ステロイドを使用している方も包皮炎になりやすいと言えます。ステロイドは免疫機能を抑制する作用があり、自己免疫疾患などに対し使用されています。免疫系統が原因で生じている症状を抑えることが出来る薬ですが、感染症に対する免疫力も低下するため包皮炎リスクが高く、後天的真性包茎の原因とされています。
後天的真性包茎の治療
後天的真性包茎は、繰り返す炎症や長期的・慢性的な炎症によって亀頭や包皮が硬く器質化した状態で癒着し真性包茎となります。子供の真性包茎はステロイド軟膏で治療されることもありますが、後天的真性包茎は外用薬等に対し治療抵抗性を持つことがほとんどであるため、一般的に包茎手術で治療されます。
今回は後天的真性包茎と原因・治療方法について解説いたしました。
後天的真性包茎は仮性包茎の人が包皮炎を繰り返すことで起こります。仮性包茎であっても包皮炎を繰り返す場合や清潔に保ちづらい方が包茎手術を推奨される理由となります。後天的な真性包茎は炎症による癒着や器質化によって手術の難易度や仕上がりが悪くなる可能性もあります。糖尿病やその他基礎疾患の治療などで包皮炎リスクの高い方は特に早期の治療を推奨いたします。
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