生活習慣病のサインかも
ED(勃起不全)とは、性交時に適切な勃起を達成または維持できず、満足な性活が困難な状態を指します。日本における成人男性では、40代で約20%、50代では約40%、60代では約59%が中等度以上のEDに悩まされているとの報告があります。勃起不全は年齢と共に増加する現象であり、単なる自然な変化と思われがちですが、実際には生活習慣病のリスク因子とも深く関連しています。
最新の研究によると
EDを抱える人々は性機能が正常な人々と比較して、心血管疾患(例えば、脳卒中や心筋梗塞)を発症するリスクが約2.5倍高いとされています。一方で、ED治療薬であるPDE5阻害薬(例: バイアグラなど)が全身の血流改善に貢献し、心血管疾患のリスクを低減させる可能性があることも指摘されています。早期の発見と治療により、心筋梗塞の発生リスクを減らすことができるため、EDは重要な健康指標として認識されるべきです。
EDの背後にはさまざまな原因があります
器質性ED 加齢に伴い動脈硬化が進行し、血液循環の低下によって陰茎への血流が悪化し、勃起不全が引き起こされることがあります。陰茎の血管は他の主要臓器よりも細いため、勃起不全は心筋梗塞や脳卒中の早期警告信号となることもあります。また、神経損傷や骨盤内手術、外傷後の影響も器質性EDに含まれます。
心因性ED 精神的ストレスが原因で勃起不全になる場合もあります。日常生活のストレス、パートナーとの関係性の問題、子作りのプレッシャーなど、原因は多岐にわたります。
混合型ED 器質性と心因性の要因が組み合わさってEDを引き起こすケースが、特に50歳以上の男性において増加していると報告されています。
EDの治療
EDの治療には、十分なカウンセリングの下でPDE5阻害薬を用いた治療が一般的です。ED治療薬の使用は自己負担となります。
プロクリニック 医師 松澤 宗範
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